1. GeminiとGoogleビジネスプロフィールが連携
Googleは2026年6月10日、公式ブログでGeminiアプリの新機能としてGoogleビジネスプロフィールとの連携と「Business Notebooks」を発表しました。ビジネスオーナーがワンタップでビジネスプロフィールをGeminiに接続すると、Geminiは自社の口コミ、質問、パフォーマンスデータにアクセスできる、自社を理解した「ポケットの中のパートナー」になると説明されています。出典:Google公式発表。
連携後は、チャット画面から「今月の来店数はどうだった?」と尋ねたり、口コミへの返信文の下書きを頼んだり、営業時間や季節の案内を更新したりできます。専用の管理画面を開かなくても、対話の中で店舗運営の一部を進められる点が特徴です。複数の日本語メディアもこの発表内容を報じており、機能概要は一致しています。
この機能は発表当月から世界各国で順次展開されるとされていますが、EEA(欧州経済領域)とイギリスは対象外と明記されています。日本での提供状況や対応言語は、自社のGeminiアプリ画面とGoogleビジネスプロフィールの案内で確認してください。本記事は公式情報に基づく解説であり、実機での網羅的な動作検証レポートではありません。
2. Business Notebooksでできること
Business Notebooksは、Googleビジネスプロフィールの情報に加えて、自社サイトのURLやPDFメニュー、社内マニュアルなどをまとめて管理できるワークスペースです。Geminiはここに集約した情報を参照しながら会話を続けられるため、毎回同じ説明をし直す必要がありません。出典:Google Business Profile ヘルプ。
| 機能 | できること |
|---|---|
| アクション項目の表示 | 未回答の口コミや未設定の休業日を開いた時点で提示 |
| 業績データの分析 | インプレッション数・ルート検索数・電話件数などをまとめて説明 |
| 口コミ返信の下書き | ブランドトーンに沿った返信案を口コミ内容を踏まえて作成 |
| プロフィール情報の更新 | 営業時間・連絡先・季節の案内などを対話で編集 |
Business Notebooksを使う際は、ビジネスプロフィールの情報だけでなく、自社サイトや資料を追加で読み込ませることで、より具体的な提案を引き出せるとされています。ただし、読み込ませる情報が増えるほど、社外に出してよい情報かどうかの判断も増えます。何を読み込ませるかは、後述する運用ルールとあわせて決めておくことをおすすめします。
3. 連携できる条件とできないケース
連携には利用条件があります。公式ヘルプでは、次の点が案内されています。
| 確認項目 | 条件 |
|---|---|
| 対象アカウント | 個人のGoogleアカウント(仕事用・学校用アカウントは非対応) |
| 保有プロフィール | 1つの確認済みビジネスプロフィールのオーナーまたは管理者であること |
| 提供地域 | 世界各国で順次展開(EEA・イギリスを除く) |
| 費用 | 個人のGeminiアプリでの利用に追加料金なし |
複数店舗を運営し、1つのGoogleアカウントで複数のビジネスプロフィールを管理している場合や、会社支給の仕事用アカウントでビジネスプロフィールを管理している場合は、現時点の条件に当てはまらない可能性があります。まずは自社のアカウント構成が要件を満たしているかを確認し、満たさない場合は無理に個人アカウントへ切り替えず、社内の運用ルールに沿って対応してください。
4. 口コミ返信をAIに任せる前に確認すること
Geminiが作成する返信案は、口コミの内容を踏まえてブランドトーンに合わせた文章を提案してくれますが、公開されるのは自社の名前によるコメントです。AIが下書きした返信であっても、公開前には必ず人が内容を確認する必要があります。
MIRAINAが美容室・サロンなどの口コミ対応支援で見てきた範囲でも、口コミ対応は文章の巧拙よりも、事実確認と一貫性が重要になる場面が多くあります。例えば、予約時のトラブルに関する口コミへの返信で、実際の経緯と異なる説明をAIが生成してしまうと、かえって信頼を損ないかねません。返信を送る前に、次の3点は必ず人が確認する運用をおすすめします。
- 口コミの内容と店舗側の記録が一致しているか
- 個人名・金額など公開すべきでない情報が含まれていないか
- 過去の返信トーンと大きくずれていないか
AIが下書きを作ること自体は、返信までの時間を短縮できる可能性がある一方、確認を省略してよい理由にはなりません。下書きの速さと、確認にかかる時間の両方を運用の評価軸に含めてください。
5. 導入前に決める4項目
MIRAINAの見解:GeminiとGoogleビジネスプロフィールの連携は、店舗の運営データを1か所にまとめ、対話形式で確認・下書きできるようにする仕組みです。多店舗展開や複数担当者が関わる場合は、機能を触る前に運用ルールを決めておくと、後から手戻りが少なくなります。
- Step 01接続する個人アカウントの管理者を決める
- Step 02口コミ返信の公開前チェック担当を決める
- Step 03Business Notebooksに読み込ませる情報の範囲を決める
- Step 04複数店舗がある場合の管理方法を決める
機能を触る前に、接続・確認・情報範囲・複数店舗運用の4点を固めます。
特にStep03は見落とされがちです。自社サイトや社内マニュアルを読み込ませるほど提案の質は上がりますが、顧客の個人情報を含む資料まで読み込ませてよいかは別の判断です。読み込ませてよい資料の種類を先にリスト化しておくと、現場が迷わず使い始められます。
口コミ対応が集客に直結する美容室・サロンなどの業種では、美容サロン特化AI活用支援で、口コミ管理と業績分析の運用設計まで支援しています。AI検索での見え方まで含めて自社の情報発信を整えたい場合は、LLMO Insightもあわせてご参照ください。
6. まとめ
GeminiとGoogleビジネスプロフィールの連携により、口コミ返信の下書き、営業時間の更新、業績データの確認を対話形式で進められるようになりました。個人のGoogleアカウントで1つの確認済みビジネスプロフィールを管理していることが前提条件で、提供地域はEEA・イギリスを除く各国です。
機能を使い始める前に大切なのは、接続アカウントの管理者、口コミ返信の確認担当、読み込ませる情報の範囲、複数店舗の管理方法という4点を決めておくことです。AIが下書きを作れることと、その内容を確認せずに公開してよいことは別問題だと意識して運用してください。



