【導入事例】LINEのパーソナライズ配信AIエージェントを開発し、
一斉配信から一人ひとりへの最適化へ。
顧客一人ひとりの情報に応じて、LINEの配信内容を個別最適化するAIエージェントを構築した事例です。従来は全顧客へ同一内容を送る一斉配信が中心で、内容が自分に関係ないと判断された時点でブロックや通知オフにつながるという構造的な課題がありました。来店履歴・利用メニュー・前回来店からの経過日数などをもとに、一人ひとりに対して配信内容と配信タイミングをAIが個別に組み立てる仕組みへ移行。現在、個別配信による流入増加施策を実施中で、具体的な効果数値は検証中です。
DATA
クライアント様について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 店舗型サービス業(リピート来店が売上の中心) |
| 対象業務 | LINE公式アカウントによる顧客への情報配信 |
| 提供サービス | パーソナライズ配信AIエージェントの設計・開発 |
| 現況 | 個別配信による流入増加施策を実施中(効果数値は検証中) |
リピート来店が売上の中心となる業態では、LINEは最も直接的な再来店の導線になります。一方で、配信内容が自分に関係ないと感じられた瞬間にブロックされるリスクも高く、一斉配信の限界が出やすいチャネルでもあります。
BEFORE
全員に同じ内容を送るほど、
誰にも刺さらなくなっていた。
導入前のLINE配信は、全友だちに対して同じ内容を送る一斉配信が基本でした。作成するのは担当者1名で、月に数本のキャンペーン告知を配信する運用です。
一斉配信の難しさは、誰に向けて書くかを決められない点にあります。先月来店したばかりの顧客と、半年以上来ていない顧客、定期的なメンテナンス目的の顧客と初回限定メニューで来た顧客では、送るべき内容がまったく異なります。すべてを満たそうとすると内容が総花的になり、結果として誰にとっても「自分向けではない」通知になっていました。
その結果、配信のたびに一定数のブロックと通知オフが発生し、配信すればするほど到達可能な母数が痩せていく状態に陥っていました。かといって配信を減らせば再来店のきっかけが失われるため、頻度を上げることも下げることもできない膠着状態でした。
顧客ごとの来店履歴や利用メニューのデータ自体は蓄積されていたものの、配信内容の出し分けに活用するにはセグメントを手作業で切り分ける工数が現実的でなく、活用されないまま眠っている状態でした。
- 全友だちに同一内容を配信
- 誰に向けた内容か定まらず総花的に
- 配信のたびにブロック・通知オフが発生
- 来店データはあるが活用できていない
- 一人ひとりに内容を最適化
- 来店履歴・利用メニューに応じた訴求
- 自分向けの通知としてブロックを抑制
- 蓄積データを配信に直結
図解:一斉配信からパーソナライズ配信への移行
SOLUTION
セグメントを切るのではなく、
一人ひとりぶんの配信を組み立てる。
MIRAINAが構築したのは、顧客一人ひとりに対して配信内容を個別生成するAIエージェントです。一般的なセグメント配信は「30日以上来店がない層」といったグループ単位で出し分けますが、このエージェントは顧客単位で文面そのものを組み立てます。
判断材料としているのは、前回来店からの経過日数、これまでの利用メニュー、来店頻度の傾向、過去の反応履歴などです。これらをもとに、その顧客にとって今もっとも自然な提案と、受け取られやすい配信タイミングをAIが決定します。
運用面では、担当者が配信文面を1本ずつ作る必要がなくなるよう設計しました。配信の意図と方針を指定すれば、そこから先の個別最適化はエージェント側が担います。手作業のセグメント切り分けを前提としないことが、実運用に乗せるうえで重要な条件でした。
-
Step 01
顧客データ
を参照 -
Step 02
経過日数・
履歴を判定 -
Step 03
個別に文面
を生成 -
Step 04
最適な
タイミングで配信 -
Step 05
反応を
学習・反映
図解:パーソナライズ配信AIエージェントの処理フロー
| 観点 | 一斉配信 | セグメント配信 | パーソナライズ配信(本事例) |
|---|---|---|---|
| 出し分けの単位 | なし | グループ単位 | 顧客一人単位 |
| 文面の作成 | 1本を担当者が作成 | セグメント数ぶん作成 | AIが個別生成 |
| 運用工数 | 低いが効果も低い | セグメントを増やすほど増大 | 増えない |
| 配信タイミング | 全員同時 | グループごと | 顧客ごとに最適化 |
| データの活用度 | ほぼ未活用 | 一部活用 | 蓄積データを直結 |
RESULT
個別配信の運用を開始。
効果数値は現在検証中。
現在は個別配信による流入増加施策を実施している段階で、具体的な効果数値は検証中です。パーソナライズ配信の効果は、単発の配信結果ではなく再来店サイクルを通して測る必要があるため、一定期間のデータ蓄積を経て評価する方針としています。
現時点で確定している変化は運用面です。従来はセグメントを増やすほど文面作成の工数が比例して増える構造でしたが、顧客単位まで出し分けを細かくしても担当者の作業量が増えない状態になりました。これは施策の打ち手を広げるうえでの前提条件にあたります。
効果検証にあたっては、配信からの流入数に加え、ブロック率や通知オフ率といった到達母数に関わる指標も並行して計測しています。
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 配信の出し分け | なし(全員同一) | 顧客一人ひとり |
| 文面作成の工数 | 配信本数に比例 | 出し分けを増やしても一定 |
| 蓄積データの活用 | ほぼ未活用 | 配信判断に直結 |
| 配信タイミング | 全員同時 | 顧客ごとに最適化 |
| 流入への効果 | — | 検証中 |
CHANGE
出し分けの細かさが、
運用工数の制約から外れた。
流入への効果は現在検証中です。パーソナライズ配信の効果は単発の配信結果ではなく再来店サイクルを通して測る必要があるため、一定期間のデータ蓄積を経て評価します。配信からの流入数に加え、ブロック率・通知オフ率も並行して計測しています。
確定している変化は運用面です。従来はセグメントを増やすほど文面作成の工数が比例して増えるため、施策の打ち手が運用能力で制限されていました。「この顧客層には別の訴求を送るべき」と分かっていても作成工数に見合わず実行できない、という状態です。現在は顧客1人単位まで細かくしても担当者の作業量は変わりません。
蓄積していた来店履歴や利用メニューのデータが配信判断に直結するようになり、取得しても活用先がなかったデータが売上への導線に組み込まれました。
POINT
セグメント配信の延長ではなく、
顧客単位の生成へ踏み込んだ。
中小企業向けに、業務効率化・AI導入支援・研修・RAGチャットボット開発を提供。 九州大学大学院でLLMに関する研究にも従事。